早いものでもう12月になってしまいました。
年末年始を控えて、これから益々お忙しくなる方も多いかと思いますが、
税金関連の業務についても年内に済ませておくべきことが色々ありますので、
自分自身の確認の意味も含めて、ここに記載しておこうと思います。
1.消費税の届出
個人事業の方は、確定申告の期限が3月なので、消費税もそれまでに考えればいいかな?
と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、個人の事業年度末は12月ですので、お気を付け
ください。
特に、下記の届出書は提出期限を1日でも遅れてしまうと適用開始が1年ズレてしまいます。
(1)簡易課税制度選択届出書
平成27年分の課税売上高が5,000万円以下(平成27年が免税事業者の場合は税込で判定)の
場合は、平成29年分の消費税について「簡易課税制度」を選択することができます。
制度の詳細は割愛しますが、この制度の適用を受けようとする場合は、「消費税簡易課税制度
選択届出書」を、必ず平成28年12月31日までに提出する必要があります。
(2)消費税課税事業者選択届出書
売上高が1,000万円以下、あるいは設立2年以内などの事情により、免税事業者となって
いる場合でも、自ら課税事業者を「選択」することができます。
「え?そんな人いるの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば巨額の設備投資を予定している事業者の方
や、輸出免税売上が増加傾向にある事業者の方などは、課税事業者を「選択」することで、
消費税の還付を受けることができる可能性があります。
この届出書も平成29年から課税事業者を「選択」する場合は、平成28年12月31日までに、必ず
提出しておく必要がありますので、ご注意ください。
(3)消費税簡易課税制度選択不適用届出書
この届出書は、(1)の届出書の効力を取り下げる意味で提出するものです。
(1)の届出書の効力は最低でも2年間は続いてしまいますが、その後であれば、要件を
満たすことにより、その取下届出をすることができます。
逆に、この届出書を提出しない場合は、ずっと簡易課税事業者となります。
平成29年から簡易課税を「選択しない」場合は、平成28年12月31日までにこの取下届出書
を提出する必要がありますので、ご注意ください。
気を付けていただきたいのが、売上の低迷などにより、しばらく免税事業者となっていた方が、
ここ数年間で売上が回復し、また課税事業者となるような場合です。
売上回復に伴い設備投資などを行った結果、本来は原則課税の方が有利だったのに、
泣く泣く簡易課税で申告、ということにならないよう、来年は課税事業者になりそうだとい
う方は、今一度過去の届出書や申告書を確認してみましょう。
(4)消費税課税事業者選択不適用届出書
この届出書は、(2)の届出書の効力を取り下げる意味で提出するものです。
(2)の届出書の効力も最低でも2年間は続いてしまいますが、その後であれば、免税要件を
満たすことにより、その取下届出をすることができます。
逆に、この届出書を提出しない場合は、ずっと課税事業者のままとなります。
この届出書も平成29年から課税事業者を「選択しない」場合は、平成28年12月31日までに
提出する必要がありますので、ご注意ください。
2.棚卸表の作成
個人事業者、あるいは12月決算法人で物品販売を行っている方、また、期末に大量の消耗品等※を購入
された方は、年末に実地棚卸を行い、残っている棚卸資産の数量を把握し、評価を行います。
この棚卸表を申告書に添付する必要はありませんが、必ず(プリントアウトの上)保管しておきましょう。
なお、破損品や棚ざらし品などは、年末時点の処分可能価額で評価することも可能です。
※消耗品のうち、毎年おおむね一定数量を取得して経常的に消費するもので、通常の年に比べて年末の
棚卸高が特に増えていないとして棚卸を省略したものについては、継続的な適用を前提として、その
購入高そのままの金額を必要経費あるいは損金に計上することができます。
なお、印紙や切手等は金銭等価物とみなされており、(少額な場合を除き)棚卸を省略することは原則できませんのでご注意を。
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長くなりましたので、その他細かい点は省略しますが、12月は年末調整やそれに続く住民税総括表の記入(特に今年からはマイナンバー制度が関係してくるので気を使います)、法定調書作成に向けてのマイナンバー収集作業など、特に中小企業の経理・総務担当の方は気が抜けない作業が続きます。
年末調整が終わってほっと一息・・・の時にこそ、上記の届出や手続きについても確認してみてください。
おっとその前に私はインフルエンザ予防接種を受けなければ・・・!!
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