これまで、相続税の申告書には、戸籍謄本の原本を添付する必要がありました。
平成30年4月1日以後は、以下の①②③いずれかの書類を添付することができるようになりました。
①「戸籍の謄本」で被相続人のすべての相続人を明らかにするもの(これまでと同じ)
②図形式の「法定相続情報一覧図の写し」(子の続柄が、実子又は養子のいずれであるかが
分かるように記載されたものに限る)
③①または②をコピー機で複写したもの
(注)被相続人に養子がいる場合には、その養子の戸籍謄本又は抄本(コピー可)の添付も必要。
これは実務的にはかなり嬉しい改正です。
以前は、登記用・金融機関用・税務署用ということで、3部ずつほど戸籍謄本の束を
ご用意していただいておりました。
亡くなった方の戸籍については、生まれてから亡くなるまでのものが必要になりますので、
人によっては、枚数も多く、行政に支払う発行手数料もかなりの額になっていました。
(但し、法務局と金融機関は、手続き後、原本を返却してくれるので、手続きがスムーズであれば
1部でも間に合いましたが)
平成29年5月に、相続登記の促進を目的として、法務局で運用を開始した「法定相続情報証明制度」
により、「法定相続情報一覧図の写し」1枚で金融機関等における相続手続きが可能となりました。
ただし、税務署の方はこれまで通り原本提出だったため、早急な対応が求められていました。
今回の改正で、「法定相続情報一覧図の写し」でも可能となったこと、また、コピーでも可
となったことで、戸籍謄本に関しては、1部(※)ご準備頂ければ大丈夫となりました。
(※)「法定相続情報の一覧図」作成時に必要
戸籍類のコピーもOKというのは、相続税の電子申告に向けての布石なのでしょうね。
相続税の電子申告が始まり、マイナンバー運用が進めば、そのうち戸籍類の添付自体が
不要になる時代が来るのでしょうか。